自然が多く、程よく都会のオーストラリア。
日本との時差も少なく海外移住先として高い人気を誇るオーストラリアですが、ここ最近、オーストラリアの永住権取得へのプロセスが急速に厳しくなっているという話を聞きました。
※ビザの専門家ではありません。詳しいことは移民コンサルタントか移民弁護士さんにお尋ねください。
Contents
オーストラリア永住権の基本情報
Australian Visa Information
オーストラリアの永住権を取得するには様々な種類のビザがあります。
例えば、婚姻で取得できる配偶者ビザ、オーストラリアに住んでいる親族がスポンサーとなって取得するビザ、就職して一定期間働いた後に永住権に繋がるビザなどです。
ここでは、自分の力で永住権を取得する際に最も一般的と言われるSkilled Independent Subclass 189(技術系独立移住ビザ)に焦点を当ててお話しします。
s189ビザの特徴や申請までのプロセス
What is s189?
Skilled Independent Subclass(技術系独立移住ビザ)は、オーストラリア政府が発行する職業リストに載っている職業である場合に申請できるビザです。
このビザの特徴として、本申請を行うためにはオーストラリア移民局から招待(Invitationと呼ばれる申請許可のことです。)を受けなければなりません。
以下にプロセスをまとめます。
EOI(イーオーアイ・Expression Of Interest)はビザを申請するための最初のステップ
オーストラリアの永住権はInvitation(招待制)になっており、直接申請することができません。
ポイントが申請可能な65ポイントに達した時点でEOI(Expression Of Interest)という許可伺い=永住権に申請したいのですがよろしいでしょうかを移民局に提出します。
その後Invitation(インビテイション)が届いた時点で本申請ができるようになります。
Invitation(インビテイション)は通常2週間に1度、職業とポイントを加味した上で発行されます。
Invitation(インビテイション)がその月に何人に発給されたかはHPで確認することができますが、職業ごとの人数の比率は移民局のみぞ知る情報です。
そのためEOI提出後、Invitation(インビテイション)を受け取るまでどのくらいの時間がかかるかは予測できません。
その間に年齢や英語力などでポイントに変化があった場合はサイト上で最新の情報に更新する必要があります。
ポイントに関しては高い順にInvitationを受け取ることができるので、できるだけ高いポイントを積み重ねておくことが重要です。
いわば最初の関門ですね。
2018年7月のs189の状況・何が厳しくなったのか
situation about s189
2018年7月のs189の状況はとても厳しいものとなっています。
具体的に厳しくなった点は以下の2つです。
- ポイントの引き上げ
- Invitation発給人数の引き下げ
1.ポイントの引き上げ
まず、7月1日より申請ポイントが60から65に引き上げになりました。
今までは年齢・英語力・就業経験等の合計ポイントが60あればEOIを提出することができていましたが、今回の変更によりプラス5点の65ポイントが必要になりました。
永住権のポイントに関しては5点足りずに涙を呑む人も多く、今回の改正は永住権取得を目指す人にとって厳しいものとなりました。
2.Invitation発給人数の引き下げ
ビザの本申請のためにはオーストラリア政府からのInvitation(申請許可)が必要ですが、そのInvitation(申請許可)の発給人数が2017年12月頃から極端に少なくなっています。
出典:Australian Government Department of Home Affairs
上の表は2018年6月6日のInvitation Roundを終えた時点の人数の推移です。
ご覧いただければわかる通り、オーストラリア年度の始まりである7月の時点で2000人に発給されたものが11月に1400人に下がり、12月から翌年度の5月まで600人のまま横ばいで推移しています。
そのため現在の申請資格は65ポイントですが、Invitationを受け取るには75ポイントが必要とされています。
※昨年度の同じ時期は一部の人気のある職業を除いて60ポイントでInvitationが発給されていました。
こちらは直近のポイント別のInvitation発給状況です。
出典:Australian Government Department of Home Affairs
75ポイントで172人、80ポイントで100人、85ポイントで28人。
85ポイントって高学歴・高英語力・+αの次元です。普通の人だとまず取れません。
はっきり言って、75ポイント取得するのは大変です。
例えばですが、日本の大学卒業、申請する職業の会社に新卒で入社し働くこと5〜7年、IELTS8相当の英語力の32歳までの人が取得できるポイントです。
これからオーストラリアの永住権取得するぞ!職業リストに載ってる職業の学校通うぞ!っていう人だと、+αの要素がないとクリアできません。
移民を必要としている職業でこれほどまでに永住権を取得するハードルが上がっているのはおかしな状況ですが、政府から公式な見解が何も発表されていないので今はただ現状を見守るしかありません。
オーストラリア永住権に興味のある方は自分が何ポイント取得できるか、一度計算してみることをおすすめします。
参考:Migration Tasmania > Points calculator
上記のリンクはオーストラリアの州の1つであるタスマニア州のサイトです。
英語ですが、私が調べた中では一番わかりやすかったです。
まとめ
年々厳しくなっていると言われているオーストラリアの永住権ですが、ここ半年ほどで急に難しさが増したように感じられます。
また、職業リストも更新されるので今現在掲載されている職業でも1年後、2年後にどうなっているかは誰にもわかりません。
私たちが永住権取得に向けて進み出し2年のコースに通うと決めた時にも”2年後はどうなっているかは誰にもわからないけれどね”と言われました。その上で、”今はこれが一番良い選択肢だと思う”とも。
移民のプロの方々でも混乱するほどの変更が起きるオーストラリアの永住権事情。
永住権を取得したいと考えている方は、オーストラリア移民局のHPで最新情報をチェックすると同時に、移民のプロの方々に相談して動き出す方向を決めることをおすすめします。
興味を持ったときに、動き出したほうがいいですよ。
移住を成功させるにはその一歩がとても重要です。
皆に幸多かれ!
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